MBTI

シャドウプロセス(影の機能) 第5〜8の心理機能 – MBTI

この記事では「陰と陽の心理機能 第一〜第八機能」のうち、第5〜8の心理機能について解説します。

それぞれのタイプは4つの心理機能を意識して利用し、その優位性・分化発達の度合いから順に第一、第二、第三、第四の心理機能を使用します。

8つの心理機能のうち、残りの4つの心理機能はどのように利用されるのか ? という疑問が残るかもしれません。

例えば、INTP(研究者タイプ)ならば

↑残りの外向的思考 Te, 内向的直観 Ni, 外向的感覚 Se, 内向的感情 Fi はどこへ行ったのかと疑問に思うかもしれません。

残りの4つの機能は、あまり意図して利用されず、そのタイプを強く特徴づけることはないため語られることは少ないようです。

また、本人が意識的に利用することがあまりなく、第一から第四の心理機能に比べて研究対象にしづらいため、そういったことに関する知識は比較的少ないのです。

しかし、相互理解や発達のことを考えるならば、 自分の内で働く残りの4つの心理機能について考える必要が出てきます。

それらは、影のプロセス (shadow process) として働いています。

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影のプロセス (shadow process)

普段は意識されることはないのですが、特別な状況においては前面に現れてきます。 これらの心理機能は使い慣れておらず、前面に出さずを得ない状況においては、 ネガティブな作用を及ぼすことが多いと言われています。

しかし、各心理機能の特徴を知り、その良さを受け入れて利用しようとすれば非常にポジティブな作用をもたらします。

そして、残りの4つの心理機能も第五、第六、第七、第八と続けて並べてしまう16タイプ心理学(やMBTI)の一派があるようです。

鏡像関係にあるタイプの心理機能の並びを第五〜第八まで続けます。

これに対し、いろいろと考え方の違いや妥当性についての疑問があるのかもしれません。

しかし、このようなことも提案され議論されています。

タイプ12345678
ENFJFeNiSeTiFiNeSiTe
ENFPNeFiTeSiNiFeTiSe
ENTJTeNiSeFiTiNeSiFe
ENTPNeTiFeSiNiTeFiSe
ESFJFeSiNeTiFiSeNiTe
ESFPSeFiTeNiSiFeTiNe
ESTJTeSiNeFiTiSeNiFe
ESTPSeTiFeNiSiTeFiNe
INFPFiNeSiTeFeNiSeTi
INFJNiFeTiSeNeFiTeSi
INTPTiNeSiFeTeNiSeFi
INTJNiTeFiSeNeTiFeSi
ISFPFiSeNiTeFeSiNeTi
ISFJSiFeTiNeSeFiTeNi
ISTPTiSeNiFeTeSiNeFi
ISTJSiTeFiNeSeTiFeNi

このように並べると、第一から第八の心理機能まで順に発達してゆくというふうに誤解されそうですが、そのような意図はないようです。

第一と第二の心理機能が充分に発達すれば、第五と第六の心理機能を訓練して利用することは良いことです。 それには、第三や第四の心理機能が発達するのを待つ必要はありません。

確かに、それぞれのタイプは、第一と第二の心理機能をよく働かせますから、それらと内向性、外向性の点で逆である心理機能には惹かれるところはあるでしょう。しかし、第三、第四の心理機能はどちらかというと脇に追いやりがちで、分化発達の程度は低めなので、さらに逆方向を向いた心理機能を第七、第八と順番に並べることが妥当なのかどうかは分かりません。しかし、第五から第八までそのようにに言われています。

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第五の心理機能 内向、外向の点で第一の心理機能と反対の心理機能

第五は心理機能は、第一機能と似ているため魅力を感じる心理機能です。

どういった点が似ているのか説明すると、例えば

  • 第一機能が Fi であれば → 第五機能は Fe
  • 第一機能がNe であれば → 第五機能は Ni…

となり、感情型(F型)・思考型(T型)・感覚型(S型)・直観型(N型)という面では共通しています。

しかし、内向型(I型)、外向型(E型)の点で逆向きなので反発しがちでもある心理機能です。

それゆえに、第一の心理機能との間で絶え間なく「魅了」と「反発」の綱引きが起こる心理機能です。(魅了←心→反発)

実際は、第五の心理機能は第一の心理機能をより良く利用するためにとても有意義な心理機能です。 第一の心理機能の影にあり、二つで立体感を持ち得るものです。

第一の心理機能に集中して利用し過ぎることによって均衡点に来たときや、混迷の度合いを増したとき、この心理機能を使うことで打開策が見出され次のステップへと動き出すことができます。

さらには、第一の心理機能によって導かれることを上手く利用するためにも必要なものです。 まさに、shadow process(影の機能) であるだけに、第一の心理機能に対して陰影を与え、奥深く味わいを出す働きをするものなのです。

内向性、外向性が極まったときに、反転してここへ至るイメージです。

自分で意識して利用すれば、この心理機能(=第五の心理機能)の働きを促進させることができるでしょう。 それでも、第五の心理機能であるだけに、利用する範囲は限られるほか相当のエネルギーを要することにはなります。

第六の心理機能 批判する親の役割

これは、第二の心理機能と内向性、外向性の点で逆を向いている心理機能です。 それゆえ、惹かれるところもあり反発するところもあります。

これにも、綱引きが起こるかもしれません。 しかし、第五の心理機能の時ほどその綱引きが意識されることは少ないでしょう。

第六の心理機能は第二の心理機能の弱点を指摘する役割があります。 これによって、行き過ぎて不適切な第二の心理機能の働きを弱めたり制止することになるでしょう。 また、他の人がこの機能を働かせているところを見てそう感じることもあるでしょう。

ストレスがかかっているときや、危機的な状況にあるときなどに突発的に前面に出て利用されることがあります。

気になり始めると、狭い範囲でひたすらに継続して利用されます。 だだ、この心理機能の良さを受け入れていない場合は良くない影響が出てきます。 それゆえ、心理機能の知識を身につけその良さを知って受け入れることが大切です。

第六の心理機能もまた、意識して利用し発達させることは比較的容易にできます。 これは第二の心理機能を使い慣れているところによるものが大きいでしょう。

第六の心理機能の長所を受け入れ、その良い面を自分が発揮できることを発見できれば、 素晴らしい体験と深遠な叡智に辿り着くことができるでしょう。

第七の心理機能 思い違いをさせる役割

第七の心理機能についてですが、何かをするときや何かに注意を払うとき、あるものが(本当は重要ではないのだが)重要であると錯覚してしまう心理機能になります。

さらに、この心理機能の働きを信用もせず、注意を払う価値もないと思い込む傾向があります。 そのため、第七機能が知覚機能であろうと判断機能であろうと、知覚・判断の際にはどこかしら間違いが入ることが多発します。

これはまだ、本当に悪なるものではありません。

第七の心理機能は無意識のいたずら好きな心理機能で、 秩序ある状態から無秩序な状態へと崩壊をもたらします。 それが、吉と出るか凶と出るかというとあまり期待はできないようです。

しかし、この心理機能の良い点を認め受け入れるならば、自分自身を笑い飛ばし、不安を和らげリフレッシュする効果もあるようです。

第八の心理機能 鬼神 悪魔 守護神 飛躍による変化を遂げるの役割

大抵の場合、否定的な影響力を持ちます。

この心理機能が働くとき、自分に対しても他人に対しても破壊的な効果を持つようです。

この心理機能の働きにより、破滅的なことを正しいと信じこみ、独裁的に押し付けようとします。 そして、後悔することになります。

この心理機能を働かせることには、ほとんど馴染んでいませんが、突然に利用したくなったり、知らず知らずのうちに自分自身に対して第八の心理機能の使用を強制することもあります。

何かから抜け出すとき、自分自身の特徴を裏切ることで次のステップへ進むことができることがあります。 そんなことのために、この世界には、そっと、悪魔のような機能が隠されているのかもしれません。

この悪魔のような働きをする心理機能を受け入れることができれば、 良い意味で大きな変化をもたらすことになります。 多くのものを犠牲にし、それによって嘆き悲しみ辛酸を舐めながらも、 それを乗り越え、新しい段階へと進むことにより、創造的で幸福な人生を歩むことになります。

第一から第八までの心理機能の原型 アーキタイプ

Myers Briggs らは、各タイプについての第一から第四までの心理機能の並びだけを考えていましたが、 John Beebe や Linda Berens は、加えて第五から第八までの並びを考えました。

その際に、第一から第八まで、こんなアーキタイプ、もしくは役割を当てはめています。

John Beebe の場合

第一ヒーロー or ヒロインHero/Heroine
第二良い親Good Parent
第三子ども 少女 or 少年Puer/Puella
第四アニマ or アニムスAnima/Animus
第五反対の人格Opposing Personality
第六賢老 魔女Senex/Witch
第七詐欺師 トリックスターTrickster
第八ダイモン 悪霊 女神Daemon


Linda Berens の場合

第一主導 優勢Leading/Dominant
第二支援 過保護Supporting/Overprotecting
第三救助 気晴らし 安堵Relief/Unsetting
第四切望 熱望 投影Aspirational/Projective
第五反対 対立 バックアップ 支援Opposing/Backup
第六批判 発見Critical/Discovery
第七だまし 喜劇Deceiving/Comedic
第八悪魔 変化させるものDevillish/Transformative

心理機能の知識を用いて人格の発達を促す

どの心理機能も意識すれば利用できるものです。

確かに、心理機能の話を知らなければ何をどう訓練すればよいのかもしらないまま無理をしてしまうことになるかもしれません。 そして、普段は意識されない心理機能を頼ろうとして良くない結果が起こることもあるでしょう。 しかし、私たちは実際にここで知ることができているのですから、対策はあるはずです。

技を磨くことで、人間関係や仕事でうまくやることができ、 深い理解に到達し大きな影響力を持つことができるようになるでしょう。

性格分類はたった16種類ですが、同じタイプの人でも、 その発達の程度や周囲からの影響、生きてきた中での経験で かなりの違いがあります。

今回は、意識して用いられることがほとんどない第五〜第八までの心理機能についてお話しました。 これらの心理機能は、無意識のうちに働いていますが、特にそれらが意識されるのは「特別な状況のとき」もしくは「これらの心理機能を意識して利用している他のタイプの人と触れ合ったとき」になるでしょう。

意識して利用する「第一〜第四の心理機能」が主に性格の特徴を決めているとは言え「 第五〜第八までの心理機能」もその人の人格や人生に影響してくるようです。

第五〜第八までの心理機能については、こういった話しを知らなければ、 意図せず否定的に反応してしまいがちで、良くない効果をもたらすことになりますが、 それらの良さを受け入れることで有効に利用することができ、 柔軟性のある性格特徴を獲得することができるようです。

技能は訓練によって磨くことができます。 特に、第五・第六の心理機能の使用は、第一・第二の心理機能を有効に働かすためにも有意義でしょう。 また、良さを受け入れることができ、知的な楽しみも持てるのではないかと思います。

↓タイプ間の相性を詳しくみる↓

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この記事を書いた人
ナル心理学

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