世界の他の文化と比較することで、その国独自の文化の深い推進力となっている要因を知ることができます。その国の文化はが社会の中心的な傾向を表しています。
例えば、個人の誰もが独自性を持っていますが、社会的統制により、ほとんどの人が規範(標準)から大きく外れることはありません。
権力格差指数(パワーディスタンス指数)
誰もが一人一人違う存在であるということは、人は皆、不平等であるということです。不平等の最も顕著な側面の1つは各人が他者の考えや行動に影響を与えることができる力の度合いです。
この次元は、社会のすべての個人が平等ではないという事実を扱い、私たちの間のこのような力の不平等に対する文化の態度を表しています。
パワー・ディスタンス(権力の距離)とは、ある国の機関や組織において力の弱いメンバーが、権力が不平等に配分されていることを受け入れるであろう度合いと定義されています。
69点のブラジルは、上下関係(ヒエラルキー、階層)が尊重されるべきであり、人々の間の不平等が許容できる(許容される)と考える社会を表しています。
権力分布の違いは、権力者が社会の中で力の弱い者よりも多くの利益を得ているという事実を正当化しています。
ブラジルでは、高齢者に敬意を払うことが重要です(子供たちは年老いた親の面倒を見ます)。会社では、全責任を負う上司がいます。権力のステータスシンボルは、社会的地位を示し、敬意を示すことを「伝える」ために非常に重要です。
個人主義指標(vs 集団主義)
この次元で扱われる基本的な問題は、社会がその構成員の間で維持している相互依存の度合いです。これは、人々の自己イメージが「私(I)」と「私たち(We)」のどちらで定義されるかに関係しています。
個人主義的な社会では、人々は自分と近親者(直径家族)だけを大切にすることになっています。集団主義の社会では、人々は忠誠心と引き換えに自分たちの面倒を見てくれる「グループ」に属しています。
ブラジルはのスコアは38点で、この国では生まれたときから人々は強い結束力のあるグループ(特に叔父、叔母、祖父母、いとこなどの大家族がに代表される)に統合され、忠誠心と引き換えにメンバーを保護し続けていることを意味しています。
これは職場環境においても重要な点で、例えば、年輩で権力のある家族の一員は、年下の甥が自分の会社に採用されるように「手助け」することが期待されます。
ビジネスにおいては、信頼できる長期的な関係を築くことが重要です。
通常、ビジネスはお互いを知るための一般的な会話から始まりミーティング(会議)はその後行われます。
また、文脈を大切にするコミュニケーションスタイルが好まれており、多くの人が饒舌に話したり、手の込んだ文章を書いたりします。
ブラジルのスコアは49で、これはこの次元ではほぼ中間的なスコアです。
不確実性回避指標
不確実性回避とは、未来は決して知ることができないという事実を社会がどう扱うかに関係しています。
未来をコントロールしようとするのか、それともただ成り行きに任せるのか。未来がわからないという曖昧さは不安につながり、その不安に対処する方法は文化によって異なります。
曖昧な状況や未知の状況に脅威を感じたとき、文化の構成員がそれを回避するため信念や制度を作ってきた度合いが、「不確実性回避指標」のスコアに反映されています。
ブラジルのスコアは76点と高く、ラテンアメリカ諸国の大部分が同様です。
これらの社会では、生活を構成するために規則や精巧な法制度が強く求められます。
しかし、個人がこれらの法律に従う必要性は弱いものです。ただし、ルールが守れない場合は、追加のルールが指示されます。
ブラジルでは、不確実性回避度の高い他の全ての社会でそうであるように、官僚主義、法律、規則が非常に重要です。これは、世界をより安全な場所にするためです。
ブラジル人は同僚とおしゃべりしたり、長い食事を楽しんだり、ゲストや友人とダンスをしたりと、日常生活の中で楽しくリラックスできる時間を必要としています。
この次元での高いスコアのため、ブラジル人は非常に情熱的で率直な人々であり、感情はたやすくボディランゲージに表れます。
長期志向指標(vs 短期志向指標)
この次元では、すべての社会が、現在と未来の課題に取り組みつつも、自らの過去との(何らか)のつながりを維持しなければならないことを説明しています。社会によってこれら2つの実存的な目標の優先順位は異なっています。
例えば、この次元のスコアが低い規範的な社会は、社会の変化を疑いの目でみながら、昔ながらの伝統や規範を維持することを好みます。
一方、スコアが高い文化圏では、より現実的なアプローチをとっています。将来に備え倹約を奨励し、近代的な教育を重視します。
44点のブラジルは、この次元では中間的なスコアです。
放縦(充足的、放任的、気まま)指標(vs 抑制)
今も昔も、人類が直面している課題の一つは、幼い子供たちがどの程度社会化されているかということです。社会化がなければ私たちは「人間」にはなれません。
この次元は、人が育った環境に基づいて、自分の欲望や衝動をコントロールしようとする度合いとして定義されます。
衝動を比較的弱くコントロールしようとする傾向を 「 放縦(充足的、放任的、気まま) 」 と呼び、衝動を比較的強くコントロールしようとする傾向を 「 抑制的」 と呼びます。このように、文化は「放縦的」と「抑制的」に分類されます。
ブラジルの59点という高いスコアは、「放任主義社会」であることを示しています。
放任のスコアが高く分類された社会の人々は、一般的に、人生を楽しみたいという衝動や願望を実現しようとする意志を持っています。
彼らは前向きで楽観的な傾向があります。また、余暇をより重視し、自分の好きなように行動し、自分の好きなようにお金を使います。
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