インターネット上で、心理に興味がある人は「限りある一度きりの自分の人生を守る」という主張(=Fi)に賛成する傾向があります。
例えばツイッターでは、そういった主張には大量にイイネ!がついているけれど、もう少し深く掘り下げて考えてみましょう。
他人を気にせず自分を守る(Fi)だけで、世の中を渡っていける?
隣人もFiを使っていたら? お互いの主張(=Fi)がぶつかり、争うことになってしまわないでしょうか?
実際には、 自分を大事にする・守る(Fi) ためには → 他人のことも気にしないといけない(Fe)ということにも気づくはずです。
ただ一方で、人のことを気に掛ける(Fe)ばかりしていては、Fi(自分の思いを叶えること)はできません。では、どうすればいいのでしょうか? この葛藤を解消するために、今回はヘーゲルの弁証法を紹介します。
ヘーゲルの弁証法について
べんしょうほう【弁証法】《dialectic》
自己の内にある矛盾をみずからの発展によってなくして、あたらしく統合された統一に到達する理論。
引用 新選国語辞典
ヘーゲルの弁証法を構成するものは3つあります。
- ある命題(テーゼ=正)
- それと矛盾する、もしくはそれを否定する反対の命題(アンチテーゼ=反対命題)
- そして、1、2を本質的に統合した命題(ジンテーゼ=合)
例えば、お酒が飲みたい(テーゼ)が、帰りに運転しなければならない(アンチテーゼ)という葛藤が生じたとき、そのどちらも満たす解決法がノンアルコール飲料(ジンテーゼ)となります。
山口潤一郎研究室のblog、ノンアルコールビールのススメ(高原知明) より引用
同じように、自分を大事にすること(Fi)と人を大事にすること(Fe)も、ヘーゲルの弁証法で解決してみましょう!
- テーゼ:自分の(一度きりの人生の)願いを(他人より)大事にする
- アンチテーゼ:他人を(自分よりも)大事にする
- ジンテーゼ:他人を大事にする(Fe)→自分にも帰ってくる(Fi) → 他人を大事にすることは自分を大事にすること
何にでも対応できる力をつけるにはテーゼ同士をジンテーゼすることが重要です。
色んな認知機能を統合し、何にでも対応できる力を身につけていきたいものですね。
コメント