エニアグラムは性格診断と記述していますが、より正確に記述すると、私たちを分類するための箱ではなく、私たちが自ら入っている箱が「どのような箱」で「どのような仕組み」なのか、また「そこから適切に脱出するにはどうすればよいか」教えてくれる心理学です。実践的でもあることから「心理術」と呼ぶ方が適切かもしれません。
この記事では、エニアグラムをただの性格診断という枠組みから飛び出し、エニアグラムの実践的な使い方をお伝えします。そうすれば、自分の性格を”ただ知る”のではなく、”どのように役立て”ていけば良いのか分かることができます。
エニアグラムが本当に伝えたいこととは?
エニアグラムは
✖ 本来の自分とは何か ではなく
〇自分自身が「本来の自分をいかに制限してきたか」
について教えてくれるものです。
人生の初期(例えば子供時代)に遭遇した「外界の脅威」を切り抜けていくため、私たちは有益な心理(対応方法)や自己イメージを無意識に身につけました。それによって、子供時代になんとか対処し、生存することが可能だったのです。
しかし、硬直した心では、心理機能の数が少なく「『有益な真理』を探すための真理機能」は種類が限定されたものであり、いわゆるバカの一つ覚えのような対応をしてしまいます。
スマブラで学ぶ「硬直した心理機能」
任天堂のゲーム、大乱闘スマッシュブラザーズにおいて、何故かピカチュウが 横強攻撃 しか使わないようなイメージです。 いわゆる「バカの一つ覚え」的な対処しかできなくなってしまい、人生の困難に対処できないのです。
・ 横強攻撃 をするピカチュウ(うまくヒットすれば真横にいる敵に大ダメージを与えらえる)
しかし、敵が周りにたくさんいる場合は雷を使う方が効果的です。 硬直した心理機能は、一つしか「有益な真理機能(この場合は横強攻撃)」が仕えないようなもの。
有益な真理(周りに敵がたくさんいる時は雷を使うほうが良い)を使えず、いつまでも 横強攻撃 を繰り返すとしたら敗北は明らかです。
また、落ちそうな時は電光石火で戻らなければなりません。そうでないと落ちてしまうからです。しかし、またしても横強攻撃しかできないとしたら・・・?
このように、各々が何らかの限定された心理機能を身につけ対応方法の「専門家」となる一方、一つの機能だけが過剰に使われるとバランスが崩れ、その特定の心理機能に支配されてしまうのです。他の「有益な真理」を使えば切り抜けられる場合にもそれだけしか知らないため使えないのです。
自分の性格をうまく使いこなすには?
ピカチュウの例えでわかるように、エニアグラムは、人生の初期から身に着けた(主にMBTIでいう第一機能=主要機能から起こる) 行動の
「可能なこと」 及び
「自滅的で不要なもの」を浮き彫りにしてくれるのです。
つまり特定の「有益な真理」や「それを見出す心理機能」の「利点とその限界」を示してくれるのです。さらには、同じ心理機能を過剰に使い過ぎたことにより引き起こされる「代償」も教えてくれます。最適使用シーンもでしょう。まるでスマブラの技です。最適シーンで使えば最強ですが、それ以外で使っても効果は半減してしまうのです。
以下は例です。
- 横強攻撃の利点:真横にいる相手に大ダメージ 横強攻撃の欠点: 攻撃の届く距離が狭い 最適シーン:真横に敵がいるとき
- 雷の利点:届く範囲が広い 横強攻撃の欠点: ダメージがそこまで強くない 最適シーン: 周りや自分の上に敵がいるとき
- 電光石火の利点:落ちそうなとき戻れる 横強攻撃の欠点:ダメージはあたえられない 最適シーン: 落ちそうなときや高いところに行きたいとき
性格は、私たちが性格と自分自身を同一視しなくなれば、本来の自分全体から見たとき、自分が使いこなす「自身に付随するパーツ」になります。性格に突き動かされるのではなく、性格をまるで「道具( スマブラの技 )」や「乗り物」のようにして使いこなせるようになり、さらには、人生の「様々な課題」に応じて能動的に「様々な心理機能」を選択し対処できるのです。
つまり、
性格に私たちが「乗っ取られてしまう」 のではなく
私たち自身のために性格を「自由に使いこなすことができる」のです。
まとめ
そう、エニアグラムをうまく使えば、私たちは自分自身の特定の性格によって、「どのような状況上手くいくか」や「どのような状況でつまずく」かを知ることができるのです。そういうありがたいコンパスと考えれば良いでしょう。(運転でいうとエニアグラムはドライバー、MBTIは車そのものと言えるかもしれません。詳しくは、「MBTIとエニアグラムの関係」を参考にしてください。)
しっかりと役立たせ、人生を有意義なものにしていきたいですね。
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