「ナルキン心理学」の目的の一つは、心理学を学び、活用する方法を提示し、人生を向上させる人の役に立つことです。役に立つ知識を知りたい人へ向けてガイダンス(導き)としてのロードマップ(道筋)を構築し使ってもらうことが目的ともいえます。どういうことか説明しましょう。
心理学ブログの問題点
主に心理学系のツイートをするツイート主は山ほどいます。
心理学に関するブログもネットに山ほどあります。また、それぞれのブログ内にも大量に記事があります。それでは、どうしてこんなに大量に情報があるのに、人は心理学系の記事を探し求めネット中をさまよってしまうのでしょうか?
大量に溢れる心理学の情報
原因の一つには、心理学ブログ内の記事が”ランダムに羅列”されることにあります。情報は大量にあるのですが”何をどこから” ”どういう順番で”読めばいいのかわからない状態が多発してしまいます。
他の例として、心理学の本があるでしょう。例えば「心理学 50 法則」「心 明るく 100 習慣」「ストレス 減らす 30」などの言葉で画像検索をかけてみてください。たくさんの心理学の本が見つかるでしょう。 例えば「人生を成功へ導く100の法則」など。
実際に「心 明るく 100 習慣」で検索してみると、以下のような検索結果が表示されます↓
(右下の「検索」ボタンを押すと、googleの検索結果へ飛びます)
また「心が晴れるたった一つの法則」「心の病はたった一つの法則△△で全て解決する」という全ての事柄をたった一つで解決するかのような書籍も溢れています。他の例として「すべての悩みは◯◯は✖︎✖︎で解決する」「すべての人間関係は⬜︎⬜︎だった」があります。
心理学のテクニックを覚えても、人の心理には迫れない
どうしてこれがおかしいのでしょうか? 後者は簡単ですね。例えば「自分の心や他人の心がたった一つ◯◯するだけで解決する」、そんなことはありえません。
では前者はどうしていけないのでしょうか?例えば、フット・インザ・ドア・テクニックという有名な心理学の法則があります。
フット・イン・ザ・ドアテクニック(←クリックで開きます)
フット・イン・ザ・ドア・テクニックとは、交渉や依頼の場面で、本命の要求を通すために、まず簡単な要求からスタートし、段階的に要求レベルを上げる方法。人間心理を利用した交渉テクニックの1つ。
一般に人間は、いったんある立場をとると、一貫してその立場をとっているほうが居心地がいい、また、他人から一貫性のある人間と見られていたい(ころころ意見が変わる人間とは見られたくない)という心理がある。 フット・イン・ザ・ドア・テクニックは、この心理を交渉に利用したものである。うまく相手の琴線に触れるような規範や価値観(社会的善につながるものであることが多い)を発見できれば、それを足場にかなりの要望を認めてもらうことも可能となる。
『グロービス経営大学院 フット・イン・ザ・ドア・テクニックとは・意味』より引用
まず、「食器を台所まで運ぶのを手伝って」とお願いします。そこで子供が「うん」とうなずけば、台所に向かうでしょう。次に、「水につけておいて」とお願いします。すると、今度は水道の蛇口をひねることになりますよね。最後に、「ついでに食器を洗って」と頼めば、ごく自然な流れで本来の目的を果たすことができるのです。
『フットインザドアとは | ビジネス・心理学用語集:意味・解説など | ビジネス心理学』より引用
このような例が50も100も載っているのですが、フット・インザ・ドア・テクニックの心理学テクニック集には、以下のような欠点が挙げられます↓
- その場面でしか使えない(今回だと頼みごとをするとき)
- そんなに多数の法則を何百と覚えられない
- テクニック同時が相互に矛盾し、結局何が正しいかわからない
特に、3.「テクニック同時が相互に矛盾し、結局何が正しいかわからない」ですが、50も100もテクニックがあれば、当然だとも言えます。
例えば、フット・イン・ザ・ドア・テクニックは、「最初に小さな要求をして大きな要求を相手に飲ませる」というものでしたが、その反対の「はじめに大きな要求をして断らせ、そのあと小さな要求をする」というドア・イン・ザ・フェイスというテクニックも存在します。
検索してみればすぐ分かるのですが、どちらのテクニックも正しいとネットの記事で書かれています↓
(右下の「検索」ボタンを押すと、googleの検索結果へ飛びます)
フット・インザ・ドア・テクニック
↑
矛盾
↓
ドア・イン・ザ・フェイス
どっちを信じれば良いか分からなくなってしまう!
一生懸命書籍を買って勉強しても中々人の心理の本質に迫れないわけはここにあります。作家(やサイト運営者)にとっては部数が売れれば心理学が人生の向上に寄与しようがしまいがどうでも良いからです。
このような状況のなか、心理学を学びたい人の多くが「自分自身を知ること」を目的としています(*1)が、これでは、自分を知ろうにもなかなか体系立てて自分自身を知ることが難しくなってしまいます。
*1この種の人達は、心理学を自分自身を知るマップ(地図)として使用することを好みます
ロードマップの必要性
他に心理学を学ぶ理由として「自分自身を成長・向上させたい」というのもよく理由に上がります。ランダムな記事の羅列を見ていても、自分をどう変えればいいのかもよくわかりません。
”自分を成長・向上させる”には上記で説明した(自分自身を知ることができる)マップ(地図)に加え、おぼろげながらもゴール(目標)も必要です。
ゴール(目標)があるからこそ、マップ上のゴール(なりたい自分の目標)と自分の現状(自分がいる位置)がわかり、その差を埋めるための進むべきディレクション(方向性)*2を示すことができます。そうすることで自然とそれに付随したガイダンス(導き)としてのロードマップ(道筋)が浮かび上がるものだからです。
* ディレクション(方向性)=自分を成長・向上させるために自分自身が進むべき方向方角
話の冒頭に戻りますが、そのロードマップを提示し生活を向上させるため心理学を実践的に使いやすくするのがナルキン心理学の目的です。
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