オンライン・オフラインを問わず、心理学コミュニティにいると(MBTI心理学を例にとります)以下のような主張に出くわすことがあります。
- 私はESFJ(社交家タイプ)だから、
↓
人間関係にとても気を遣う
[ESFJの第一機能=主要機能はFe;外向的感情が発達=得意] *第一機能は得意な機能
- 彼はINTP(研究者タイプ)だから、
↓
人間関係にほとんど気を払えない
[INTPの第四機能=劣等機能はFe;外向的感情が苦手]*第四機能は苦手な機能
ESFJ(社交家タイプ)とINTP(研究者タイプ)の心理機能(認知機能)の比較の図(クリックすると表示されます)
以下にESFJ(社交家タイプ)とINTP(研究者タイプ)の心理機能(認知機能)の図を紹介しますので、参考にしてください
みなさんも、上記と同じように「私は○○タイプだから、△△な性格なんだよね」と考えたことはありませんか?
実は、これは順序が逆になっています。
因果関係を逆転することは、人はよくしがちな間違いです。詳しくは以下の記事も参考にしてください↓
性格診断がその人の性格を決める??
ここでAさん、Bさんの2人がいると仮定します。 タイプ決定の順序を一つ一つ追ってみましょう。
日常生活を振り返って受ける心理テストにおいて、以下のような結果がでました↓
- Aさん;他の人よりも人間関係に気を配る傾向がとても強い
- Bさん; 他の人よりも人間関係に気を配る傾向がとても弱い
ですから、以下のように表現され↓
最終的に、以下のように性格タイプを判定するわけです(実際にはより複雑ですが、本質を説明するため敢えてシンプルに説明しています)↓
最初の流れから繋げてまとめると、このようになります↓
つまり、因果関係は以下のようになります↓
ところが、人は論理の順序を逆転させてしまうことがあります↓
- 3ESFJだから1Aさんは 人間関係にとても気を遣う
[論理が3→1の流れ] - 3INTPだから1Aさんは 人間関係にほとんど気を払わない
[論理が3→1の流れ]
しかし、これでは、性格診断テストがあなたの性格を決めていることになってしまいます。
正しく因果関係を認識しよう
このような認知は因果が逆転(原因と結果が逆転)しているので好ましくありません。
本来の正しい因果(原因→結果)は、
なのですが、あたかも、
と本人も気づかないうちに錯覚してしまうからです。
したがって、以下のような発言が飛び出してしまうのです↓
因果の逆転(原因と結果を逆に取り違えること)には十分に気を付け、心理学を人生全般に役立てていきたいですね。
コメント