タイプ1（改革する人） – エニアグラム

タイプ1の簡単な解説

タイプ1は・・・
合理的で理想的なタイプ。
公明正大で目的意識が高く、自己管理能力が高く、完璧主義者。

• 欲求：「継続的な改善の追求」
• 囚とらわれ：「完璧でなければ誰も愛してくれない」

エニアグラムのタイプ1は、良心的で倫理的であり、善悪の判断がしっかりしています。正確で高い基準で物事を行うことを好み、規則にこだわり、細部にまで注意を払います。簡単には妥協しません。また、ミスをすることを恐れています。他人から見ると、完璧主義で責任感が強く、厳格な人に見えます。

このタイプの人は、仕事や人間関係、日常生活などで、自分の高い基準に沿わないことがあると、イライラしてしまうことも多いでしょう。ストレスが溜まると、不健全のタイプ4のように急に不機嫌になったり、不合理になったりします。

しかし、統合（成長）の方向に進むと、健全なタイプ7のようにより自発的で喜びに満ちた人になります。

タイプ1の詳細

エニアグラムのタイプ1には「使命感」があり、自分の影響力の大きさに関わらず、様々な方法で世界を改善したいと考えています。逆境を乗り越えようと努力し、人間の精神を輝かせて変化をもたらそうとします。大きな犠牲を払ってでも、「より高い価値」を追求しようとします。

実用的な行動をとり、良い意味で役に立ちたいと願っています。意識の上では、自分には人生で果たすべき “使命 “があると感じており、自分が目にする環境の無秩序さを軽減するために最善を尽くしたいと考えています。人に対しては励ましたり教えたりするのが好きで、怒りを表現することを避け、毎日できることよりもやるべきことが多いと考えています。

ただ、自分が定めた原則に忠実であろうとするために、タイプ1は本能的な衝動に影響されることを避け、自分を律します。自分なりの完璧さを追求するばかりに、自分を追い詰めることにも繋がり、その結果、抑圧・抵抗・攻撃性に問題がある人格タイプとなってしまう危険性があります。

タイプ1はいわば教師であり、改革者であり、変革の提唱者です。整然としており、潔癖で、高い基準を維持しようとしますが、批判的で完璧主義に陥ることもあります。そのため、怒りや焦りの感情に飲まれてしまうこともあるかもしれません。

強い目的意識を持つ一方で、自分の行動を自分自身や他人に正当化しなければならないと感じています。自分の行動の結果や、自分の信念に反した行動を取らないようにするにはどうしたらよいかを考えることに多くの時間を費やします。

怒りと憤り

タイプ1は、きっとこのことをよく感じているのではないでしょうか？ あなたの怒りや恨みの感情は、あなたが自分の人生に高い要求をしていることが原因です。 何かがうまくいかないと、「こんなはずではなかった」と怒りや憤りを感じてしまいがちです。これは自分自身だけでなく、周囲や人に対しても同じように大きな期待をしてしまいます。 しかし、友人としては、怒りを受け入れるのは簡単なことではありませんし、ストレスにもなりますから、十分に注意してください。

失望感、挫折感

同じように、あなたたちは完璧な態度を求めているので、生活の中でよくくぎを刺したり、気に入らないと感じます。怒りをぶちまけているだけでなく、内心では挫折を繰り返し、失望を経験している。これらの感情はあなたたちにとって健康ではなく、積極的に処理しなければならない。一番根本的な方法は、自分をより優れたものにすることではなく、すべてのことについて自分の意見を調整し、簡単に向き合うことです。他のタイプは上で言ったことが正しいことがある

対人関係

典型的な完璧主義者で、何事も完璧を求めてしまうため、自分も周りも褒める言葉は少なく、批判する言葉が多いのです。 そして、自分の基準が非常に高いため、自分自身に大きなプレッシャーをかけ、リラックスして楽しんだり笑ったりすることが難しいと感じています。

主な性格的特徴

• 公明正大
• 会話は真面目で率直
• 常に向上心を持つ
• 自分にも他人にも厳しい
• 簡単には妥協しない
• 実用性と倹約精神に富む
• 「○○すべき」「〇〇をしなければ」といった固定概念が強い
• 白黒はっきりさせる
• 従業員として勤勉で真面目
• 教えること、指導することが好き
• 尊厳がある
• 完璧を求める
• 計画や意思決定を貫き通す
• 整理整頓に注意を払う
• 強烈な集中力
• 感情の世界に弱い

価値観

• 責任感と勤勉さがタイプ1の価値観の主軸。説明責任を果たし、様々な製品やシステムの機能性を評価します。
• 人生のあらゆる側面を向上させたいという願望。自分の行動が自分の価値観や原則と一致していることを目指し、その目標を達成するために非常に努力します。
• 誠実さは人生の選択において重要な要素。忠誠心、正義感、誠実さは、タイプ1の性格を形成するための核となる要素でもあります。

タイプ1を構成する要素

基本的な恐怖: 堕落・悪、欠陥品であること。
自分が「悪人」であること、道徳的に欠陥があること、またはその他の点で不完全であると見られることを恐れています。この恐怖心に対処するために、自分を厳しく律し、自分自身（そして多くの場合、周囲の人にも）にも厳しい態度をとります。

基本的欲求：善良でありたい、誠実でありたい、バランスのとれた人間でありたい。
間違いを正す立派な人で、まずは自分自身が何事にもキチンといなければならないと思っています。

主な動機：正しいことをしたい、より高く努力したい、すべてを向上させたい、自分の理想と一致させたい、自分を正当化したい、誰からも非難されないように批判されないようにしたい。

成長のヒント

• あなたは他の人に教えることがたくさんあり、おそらく良い先生だと思いますが、他の人が”すぐに”変わることを期待し過ぎないでください。特に、客観的に見ることに慣れていない人にとっては、あなたにとって明白なことでも、相手にとっては明白ではないかもしれません。
  また、多くの人は正しいことだとわかってもいても、さまざまな理由ですぐには変わることができません。あなたのアドバイスどおりにすぐに変わらない人がいたとしても、その人が将来変わらないということはありません。辛抱し見守っていきましょう。
• あなたのアキレス腱は、独善的な怒りの感情です。あなたはすぐに怒り、自分が定義した正しいことを他人が拒否しているように見えると、腹を立てます。一歩下がって考えてみてください。その怒りを鎮めれば、人はあなたの言うことに耳を貸すようになるでしょう。
• 自分にやさしくしてみましょう。ストレスを抱え込むと、タイプ1は自分に厳しくなり、自分を追い込んでしまうことがあります。自分の中のネガティブな批判を和らげることを考えてみましょう。親しい友人に同じ批判をされたらどう感じるかを考えてみてください。
• リラックスすることを学びましょう。すべてが自分にかかっているとか、自分がやらないととんでもないことになると思わずに、自分のために時間を使いましょう。幸い、世界はあなた一人にかかっているわけではありません。たとえあなたがそう感じることがあってもです。
• 誰もが自分と同じようにはいかないことを注意しましょう。人をありのままに受け入れ、説教臭くなったり小言を言ったりする前に一旦立ち止まる（少なくとも自分を戒める）ことを学ぶことが大切です。
• あなたは他人の悪事について、自分を奮い立たせるのは簡単です。そして、彼らが間違っていることは事実かもしれません。しかし、それはあなたにとって何なのでしょうか？　あなたがその人たちに苛立っても現状は何も変わりません。同じように、自分の “欠点 “に常に苛立っている人は要注意です。自分で自分を厳しく批判することは、本当に自分を向上させるのでしょうか？　それとも、単にあなたを緊張させたり、不安にさせたり、自信を喪失させたりするだけなのでしょうか？
• 健康的な生活を意識しましょう。タイプ1は並外れた集中力を持ち仕事中毒の傾向があり、それがキャリアの成功につながります。しかし、夜遅くまで仕事をすることと、人間関係や家族、健康、そして自分自身の健康のための時間とのバランスをとる必要性を心に留めておくことが重要です。
• 人生のすべてを真剣に考えないようにすることが、タイプ1の成長への道です。自分自身や周りの世界にある面白いこと・おかしなことを探し、リラックスして現在の状況を把握する時間を持ちましょう。

エニアグラムにおける「段階」

*この章は、「段階(エニアグラム)」より引用したものです。

3つの段階

健全〈段階1～段階3〉

• 囚われ・根源的な恐れ・欲求からくる問題が解消されている状態
• この状態だと、自由や解放感を感じられる

通常〈段階4～段階6〉

• いわゆる「普通」の状態
• 私たちの大半はこの状態にいる

不健全〈段階7～段階9〉

• 自由が制限されて、心身共に苦しい状態
• いわゆる、「病んでいる」
• 段階9はもはや末期である
• 不健全になるとさらに下に落ちるか、助けを呼ぶしか方法はない

タイプ1の段階

タイプ1の有名人

• 孔子
• プラトン
• マハトマ・ガンジー
• ローマ法王ヨハネ・パウロ2世
• マーガレット・サッチャー
• チャールズ皇太子
• ミシェル・オバマ
• ヒラリー・クリントン
• ノーム・チョムスキー