食物繊維とは、炭水化物の一種で、人の消化酵素で消化することができません。消化されないため、エネルギー源にはなりません。しかし、その後の研究により健康面で大切な栄養素であることが判明し、第6の栄養素とも呼ばれています。
この記事では、食物繊維とは何か? また、食物繊維の知られざる健康面での効果を解説します。
食物繊維とは
「01.糖質とは何か?」で解説したように、「人の消化酵素で消化されて〔分解されて〕エネルギー源になるものを「糖質」とし、人の消化酵素では消化できない〔分解できない〕ものを「食物繊維」としています。
食物繊維の種類
食物繊維を大きく分けると、水に溶けるタイプ(水溶性食物繊維)と水に溶けないタイプ(不溶性食物繊維)があります。
不溶性食物繊維の特性
水分を吸収して大きく膨らみ、便の量を増やします。それにより、腸を刺激してぜん動運動を活発にし、便の排泄を促進します。ただし、摂りすぎると便が硬くなり過ぎてかえって便秘が酷くなることもあります。
便の中身は、健常者の場合、約80%は水分で、残りの固形分20%のうち、1/3が食べ物のカス、1/3が古くなった腸粘膜、そして、1/3が腸内細菌とその死骸です。
「毎日の健康バロメーター いいウンチに出会いたい!」より引用
便には「腸内細菌の死骸」が多いですが、生きている腸内細菌もいます。象の赤ちゃんは母乳が飲めないため、象は生まれるとすぐに、母象の「出たての糞」を食べます。便・糞の中には「生きた腸内細菌」や栄養が含まれているため、母乳が飲めない赤ちゃん象は、母象がした「新鮮な糞」を、栄養補給や「細菌獲得」のために食べるのです。こうして、赤ちゃん象は「母親の持つ細菌」を健全に感染して「受け継ぐ」のです。
水溶性食物繊維の特性
水溶性の食物繊維の多くは水に溶けてふやけると「粘性」を発揮し、食べたものが小腸でとどまりやすくなります。つまり、水に溶けるとネバネバし、胃腸内をゆっくり移動するので、お腹が空きにくくなります。さらに、糖質の吸収をゆるやかにして、食後血糖値の急激な上昇を抑えます。
さらに細かく分類すると、以下のようになります。食物繊維には様々な種類があるのです。
食物繊維の働き
食物繊維の有名な効果としては、便秘促進があります。他にも、糖尿予防や大腸ガンの予防など、様々な効果があります。
食物繊維が不足することで便秘になる理由については、こちらの記事↓を参考にしてください。
また、食物繊維を食べることで「短鎖脂肪酸」や「水素ガス」が産出されます。
「食物繊維」は「ヒトの消化酵素では分解(消化)できない」ため、消化・吸収されずに大腸までたどり着き「腸内細菌のエサ」となり、腸内細菌が「食物繊維」を食べて発酵分解するときに “ブドウ糖の代替エネルギー源” になる『短鎖脂肪酸』や『水素ガス(身体の酸化を還元する抗酸化物質)』などの有効成分を産生し、宿主である人間に提供します。
腸内細菌が「食物繊維」を食べて発酵分解するときに、 “ブドウ糖の代替エネルギー源” になる『短鎖脂肪酸』の他、ビタミン・ミネラル・アミノ酸・酵素や『水素ガス(身体の酸化を還元する抗酸化物質)』などの様々な有効成分を産生し、宿主である人間にとって重要な栄養を提供してくれるのです。この腸内細菌が栄養を産生して宿主に提供するシステムを『腸内細菌による栄養産生提供』と言います。
食物繊維と水素ガスの関係については以下をご参考ください↓
草食動物は「草ばかりの食事」で、なぜ、あの巨体の生命を維持できるのかと言えば、この『腸内細菌による栄養産生提供』というシステムが最大限に機能しているからです。草食動物は「草ばかりの食事」をして、腸内細菌に「食物繊維」というエサを提供していれば、あとは、腸内細菌が草食動物が生きるのに必要な栄養を産生し、草食動物の生命を維持しているわけです。
腸内細菌が「食物繊維」を食べて発酵分解するときに産生する『短鎖脂肪酸』も非常に重要な成分であり、この『短鎖脂肪酸』は “ブドウ糖の代替エネルギー源” として生体を支えています。近年、医学でも重要視されている栄養です。
草食動物は、腸内細菌が産生する『短鎖脂肪酸』を重要なエネルギー源としています。
- 大腸からの水やナトリウムの吸収を維持
- 大腸の持続性収縮の維持
- 粘膜細胞の増殖維持
- 消化管運動の改善
- 大腸の粘膜分泌を起こさせる
- カルシウム、マグネシウムの吸収を助ける
- 膵液の分泌を助ける
- 免疫向上
食物繊維を摂り、短鎖脂肪酸をより多く生み出しには、食物繊維のサプリメントが効率的です。以下に、オススメの食物繊維のサプリをご紹介していますので、参考にしてください↓
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