食物繊維には、便秘解消だけでなく、糖尿病・脳梗塞・心筋梗塞などの病気を予防する大変優れた栄養素です。しかし、食物繊維には多くの種類があり、その効果も様々なため、どの種類を食べればいいかは素人にはなかなか判断できません。さらに、食事だけでは、食物繊維を基準値の量まで摂るのは困難です。
そこで役立つのが食物繊維のサプリメントです。
この記事では、健康にとって一番効果的な食物繊維のサプリメントをご紹介します。
食物繊維のサプリメントを選ぶ基準
多くの種類があり健康にも良い食物繊維ですが、では、どの種類をどのくらい摂るのがベストなのでしょうか?
その際、2つの選ぶポイントがあります。
- 2つの食物繊維のバランス
- →食物繊維には「水溶性」と「不溶性」の2種類があります。
- 腸内細菌を元気にする短鎖脂肪酸をどれくらい増やす効果があるか
- →食物繊維の中には、腸内で発酵することで短鎖脂肪酸という物質を生み出すものがあります。短鎖脂肪酸は腸のエネルギーになる栄養で、腸が元気になるだけでなく、ビフィズス菌などの善玉菌も増えます。
それぞれ詳しく解説します。
2つの食物繊維のバランス
食物繊維には大きく分けて、水溶性、不溶性の2種類があり、それぞれ利点があります。この2種類を食物繊維を最適なバランスで食べることが重要です。
では、それぞれどのくらい摂取したら良いのでしょうか?
↓
理想 = 2(不溶性):1 (水溶性)
↓
しかし、実際には多くの人は水溶性食物繊維が不足
現実 = 3(不溶性):1 (水溶性)
↓
だから、水溶性の食物繊維を多めに摂取することでバランスが取れます!
国民健康・栄養調査によると、現状は不溶性と水溶性の割合がおよそ3対1で、便秘解消の点からみると、とくに水溶性の不足を問題視しなければならない。
総食物繊維量に占める水溶性の割合は、穀類・めん類の中ではライ麦パンやパスタ、野菜・キノコ類ではオクラ、トマトなどが高い。果物はどれも水溶性をたっぷり含む。2対1にこだわる必要はないが、こうした食材を積極的にとれば、便秘体質から抜けられるかもしれない。
ヘルスUP 病気・医療『食物繊維をバランスよく 水溶性、不溶性で効果の違い』 より引用
水溶性食物繊維にはさらに、便を柔らかくする作用があり、便秘改善にも役立ちます。
腸を元気にする短鎖脂肪酸
水溶性の食物繊維をなるべく摂る方が良いと言いましたが、もうひとつ食物繊維を選ぶポイントがあります。それは、短鎖脂肪酸の量と種類です。
短鎖脂肪酸は、食物繊維が腸内細菌によって発酵することで生み出され、健康面において体に様々な良い効果(整理作用)をもたらします。その作用のひとつに、痩せホルモンであるGLP-1の分泌を促す作用もあります。
また、短鎖脂肪酸には、酢酸・プロピオン酸・酪酸などの種類があります。
特に、短鎖脂肪酸の中でも酢酸は、他の短鎖脂肪酸よりも重要な機能を持っており、生理活性(=体に作用する強さ)が短鎖脂肪酸の中でも高くなっています。
生体位での短鎖脂肪酸の増殖促進作用は用量依存性で,酪 酸 >プロピオン酸 >酢酸 の順に作用が強い
T. Sakata, Br. J. Nutr., 58, 96 (1987). より引用及び筆者改変
水溶性食物繊維は発酵するから体に良いと説明しましたが、その種類と腸内細菌の種類には相性があり、どんな水溶性食物繊維でもいいというわけではありません。 水溶性食物繊維の種類によって、腸内細菌が生み出す短鎖脂肪酸の量も種類も異なります。
まとめると、腸内細菌にとって発酵しやすく、さらに「酪酸」を多く生み出す水溶性の食物繊維が良いという結論になります。
おすすめの食物繊維サプリメント
それでは、以上のことを踏まえて食物繊維のおすすめサプリを紹介していきます!
グァーガム分解物
まず、ひとつ目におすすめする水溶性食物繊維のサプリメントが「グァーガム分解物」です。
以下の「タイヨーラボ サンファイバー」にはグァーガム分解物という水溶性食物繊維が含まれています。値段も他の商品よりも安くおすすめです。水やお湯に溶かして手軽に飲むことができます。お湯の方がダマにならずよく解けます。また、スプーン一杯をそのまま口に入れ、水などと一緒に飲み込むこともできます。味はほんのり甘く、とても食べやすいです。
お通じなども良くなったとレビューも多くあり、その効果についてはAmazon等のレビューを覗いて確かめてみると良いかもしれません。ただし、いきなりいっぱい摂りすぎるとお腹が緩くなるので、最初の頃は1日にスプーン1杯が良いと思います。
「グァーガム分解物」は以下の表を見てのとおり、酪酸の生成率が高くなっています(↓下の表を参考)
食物繊維 | 酢酸 | プロピオン酸 | 酪酸 |
---|---|---|---|
セルロース | 35% | 55% | 9% |
レジスタントスターチ | 41% | 21% | 38% |
小麦ふすま | 61% | 19% | 20% |
ペクチン | 71% | 15% | 8% |
グァーガム分解物 | 35% | 36% | 28% |
グァーガム | 58% | 27% | 8% |
オーツブラン | 57% | 21% | 22% |
フラクトオリゴ糖 | 78% | 14% | 8% |
同じ食物繊維でも、グァーガム分解物の方がより優秀だということがおわかりにいただけたと思います。
注意点ですが、「グァーガム分解物」と「グァーガム」は別物です。グァーガム分解物とは、文字どおりグァーガムを酵素で分解したもので、下の写真を見たとおり右のグァーガム分解物は粘り気が全然ありません。そのため、水に溶かしても大変飲みやすくなっています。
「タイヨーラボ サンファイバー」のスティックタイプをお求めの方はこちら↓
イヌリン
同様に、イヌリンという水溶性食物繊維も酪酸を多く生み出すので、おすすめです。イヌリンも甘いため、そのまま食べても美味しいと評判です。ただ、あまり食べ過ぎるとお腹が緩くなるので、注意しましょう。
以下のNICHIGA(ニチガ)のイヌリンが、おそらくイヌリンの商品の中でも最安値だと思います。一番お得なのは、2500g入りの3,490円です(Amazonでの価格。値段は変動することもあります)
下の表を見てわかるように、イヌリンは善玉菌であるビフィズス菌も増やす作用もあります。
上の表の右上にある「オリゴ糖」はイヌリンと同じように、水溶性も高く、腸内細菌の資化性も高いです。それもそのはずで、イヌリンを含めた食物繊維というのは糖の繋がった集まりで、その中の特に短い部分のみをオリゴ糖と呼んでおり、食物繊維とオリゴ糖はとても近い仲間であると言えます。
イヌリンは加水分解(=水に溶けること)によってオリゴ糖になります。同様に腸内で発酵分解されるとフラクトオリゴ糖となり、腸内のビフィズス菌などの善玉菌のエサとしても働きます。
さらにイヌリンは腸で水分を吸収するとネバネバになり、周りの糖質にまとわりつき吸収を抑え、血糖値の急激な上昇を止めるので、糖尿病予防や糖化を防いだりする作用があります。
イヌリンについては以下の記事も参考にしてください↓
両方を混ぜて摂ると効果倍増!
発酵しやすい食物繊維はズバリ「グアーガム酵素分解物」と「イヌリン」です!
この2つを混ぜて飲むことで効果が増し、単体で摂るよりも高い効果が望まれます。
食物繊維の種類 | 発酵分解率 | エネルギー換算係数 |
---|---|---|
グアーガム酵素分解物、イヌリン、ペクチン 等 | 75%以上 | 2kcal/g |
難消化性デキストリン、アラビアガム 等 | 25%以上以上75%未満 | 1kcal/g |
ポリデキストロース、寒天、サイリウム種皮 等 | 25%未満 | 0kcal/g |
その両方を混ぜて売っているのが、「サンファイバーAI」です。
しかし、混ぜてあるものを買うよりも自分で、「グアーガム酵素分解物」と「イヌリン」の両方を買って混ぜるのが一番安くすることができるのでおすすめです。
コメント