ISTP(実務家タイプ)の第二・第三機能の統合について解説します。
『mbti性格タイプ論の視点から世界を覗こう』(サイト消滅)より引用開始(一部改変)
外向的感覚(Se)と内向的直観(Ni)の葛藤、折衷、そして統合
ISTPの青年期における課題は、 第二の心理機能である 外向的感覚(Se) と第三の心理機能である 内向的直観(Ni) のバランスを取ることにあります。
今この時、目の前にあるものに意識を傾け、 ありのままに現実を見つめ広く情報を集めながら行動するか、 それとも、背後で働いている関係性や傾向を認識し、長期的な視野に立って方針を立てるか。 その間で葛藤が生じます。
これら二つの心理機能のどちらが優位に働くのか、 それは時と場合によって違ってきます。 はじめから、両方共、うまく統合させて働かすことはできません。 その場その場で、うまく使い分けることになります。
概ね 外向的感覚(Se) の方がよく働きますが、 一人でいるときや内省的なときは、内向的直観(Ni) の方がよく働くことになるでしょう。
どちらか一方の働きが強くなりすぎて、その良くない面が影響してしまうことがあります。 実際は、この二つの心理機能はバランスを保って共同して働くことで、統一した認識に至ります。
先ずは、この世界が差し出してくれているものを広く受け取り、 よく観察し、また、自分の身体を通して感じることが 人間にとって非常に重要になります。
なぜなら、人間の意識は、この世界の存在の意識の一部であり、 この世界の存在の意識は至上のものであり、 世界を体験する機会を与えることによって、 人間の意識の発達を導くものだからです。
しかし、 人生の前半においては特に目に見えることを強く信頼するISTPにとって、 このことは突拍子もない神秘的な話に思われ、 すぐには受け入れられないかも知れません。
そのことを気にする必要はありません。
まずは、心のおもむくまま、あちこち動きまわって、 美しい風景、爽快な風、美味な食事などなど、あらゆる心地良い体験を求めるとよいでしょう。
また、人間は、同時にあらゆる苦痛をも経験することになります。外向的感覚(Se) を利用するタイプは、この身体的な苦痛をも強く感じることになるのです。
この身体的な苦痛というのは、 今現在に意識を集中させることを要求するものでありながら、 過去や未来のこと、そして、普遍的なことを考えさせる最たるものです。
ISTPは、リスクを背負ってでもチャンスを得ようとする果敢な所があるのですが、同時に 物事の仕組みや力作用、物の動きについて勘が働きくので、 自己規律の下に行動し、 身体的な被害をできるだけ避けようとすることができます。
その能力は成長する程に発達してゆくことでしょう。
現在の状況を見つめることによって傾向を把握し、 将来に起こることをつかみとることが段々と出来るようになって来ます。
そうはいっても、ISTPは 外向的感覚(Se)の方に重きをおきますから、 その場の快楽に身を委ね、後から問題が生じることもあるかもしれません。
しかし、 外向的感覚(Se)と 内向的直観(Ni)は Se-Niペアとして働くことから、 瞬間瞬間に没頭することで経験してきたことは、 心身を休めているうちに、その関係性が整理され統合されてゆます。 そして、やがて気がつかないうちに普遍的な理解が意識に登ることになるのです。
少しずつ、賢い選択ができるようになり、 予期せぬことに直面して嫌な思いをすることは少なくなってゆきます。
このことからも分かるように、人間にとって過ちは不可避です。 ただ、自然に与えられた身体と環境からの刺激と恵みを享受しながら 学ぶことが不完全な人間に求められていることです。
なので、他の人の過ちもまた過度に批判してはなりません。内向的思考(Ti)と 外向的感情(Fe)を 上手に働かせることによって、自分や他人の過ちを許せるようになりましょう。
そもそも、憤慨していては今を楽しむことはできませんし、何の得にもならないはずです。 そして、許すことで、その影響が巡り巡って、恩恵を授かることになるのです。 そのことは、必ずしも目には見えないかもしれません。 しかし、内向的思考(Ti)と 内向的直観(Ni)を 働かせれば気がつくことがあるはずです。 今現在の思考と感情が未来を決定してゆくのですから。
ISTP自身、過去にとらわれることなく、今を生きることができるのは長所です。 それが、他の人にも許されると考えるのは自然なことではないでしょうか。
外向的感覚(Se) と 内向的直観(Ni) を平衡させて働かせることで、普遍的な影響力を意識しながらもなお、 過去や未来に気をとらわれることなく、 今現在をありのままに生きるようになります。
『mbti性格タイプ論の視点から世界を覗こう』(サイト消滅)より引用終了(一部改変)
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